核磁気共鳴(NMR)装置の持続的運転のために –世界的ヘリウム供給状況と再凝縮装置について–
核磁気共鳴(NMR)は磁場中に置かれた原子核が電磁波を吸収する現象であり,分子構造や物性の研究に幅広く持ちられている.信号雑音比や分解能を上げるためには高い磁場を必要とするため,超伝導磁石がNMR装置には使われている.超伝導磁石を動作させるには液化ヘリウムを必要とする.
ヘリウムの産出国は数カ国に限られ,日本は主にカタールとアメリカから輸入している.ヘリウムは半導体,光ファイバー,リチウム電池などの製造にも必要であり,その供給は世界的に厳しく,価格も上昇し続けている.
ヘリウムを液化するには液化装置が必要となるが,数億円と高額であり,大学等に設置されている液化機が将来にわたって更新できるかどうか,見通しは明るくない.
このFD研究会では,大学が所有するNMR装置を持続的に運転するために,どのような対応策があるかを検討する.NMRユーザを中心に,液化ヘリウム利用者に参加いただき,状況を共有して対応策を議論するものである.
プログラム
日 時:2024年12月10日(火)13:30~14:30
場 所:名古屋工業大学4号館1階110室(交通アクセス)
参加費:無料
事前申込:不要(直接会場へお越しください)
13:30~13:35
はじめに
産学官金連携機構 設備共用部門 低温室責任者
大原 繁男
11:00 ~ 11:05
休憩
13:35~14:05
「NMR用ヘリウム再凝縮装置の紹介ならびに国内外のヘリウム事情」
大陽日酸株式会社
北野 博康 氏
14:05~14:30(最長)
質疑応答,自由討議