化学分析・生命科学系
超伝導高分解能核磁気共鳴装置(NMR)
メーカー | Bruker |
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型番(形式) | AV500 + CryoProbe |
設置場所 | 22号館316室 |
管理室 | 核磁気共鳴室 |
公開範囲 | 学内外 |
技術職員 | 配置あり |
学内利用 | 機器分析受付システム |
1H, 13C測定専用です。CryoProbeにより、検出器を液体ヘリウム温度に冷却してノイズを低減することにより、検出感度が非常に高く、短時間での測定や低濃度サンプルの測定も可能です。
後述のECZ700Rと比較すると、AV500 + CryoProbeはECZ700Rの5倍以上の感度となります。S/N比は積算回数の1/2乗に比例することから、同じS/N比 のスペクトルを得るために必要な積算回数は1/25でよいことになり、通常、長時間を要する13C測定が数分~数時間で測定でき、劇的に測定時間を短縮することが可能です。
感度の比較例として、Paromomycin (Paromomycin:9mg / D2O:0.6mL, 化学式:C23H47N5O18S, 分子量:615.629 g/mol)の13C NMRを以下に示します。
また、13C-13Cの直接結合を観測する二次元測定INADEQUATEは、通常のNMRでは天然存在比での観測は事実上不可能と言われていましたが、本機ではすべての結合を明らかにすることが可能です。(INADEQUATE測定例)
装置性能および仕様
磁石 | 超伝導磁石方式(11.74テスラ) |
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観測周波数 | プロトン:500MHz |
測定方式 | パルス波フーリエ方式 |
感度(13C) | 2500 |
測定温度範囲 | 室温~50℃ |
測定可能核種 | 1H, 13C |
使用可能なNMR管 | Φ5mm, 長さ180mm以上 |
適切な試料溶液高 | 40mm |
分析対象
状態 | 液体、可溶固体、気体 |
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物質 | 有機物、錯体、高分子 |
濃度 | 1.5 mmol/L以上(低濃度は要相談) |
分析不可 | 不溶物 |
測定例
HSQC 1H-13Cなど異なる種類の核間の相関を観測する二次元測定
HMBC 結合を2本ないし3本を隔てた遠隔1H-13Cスピン結合を観測する二次元測定
NOESY 空間的に近接した核間の共鳴を観測する二次元測定
INADEQUATE 13C-13C直接結合を観測する二次元測定
TOCSY, PSYCHE-TOCSY スピン結合によって繋がる 1Hのグループ(スピンネットワーク)を区別できる